では、到着したデナリ国立公園について、ちょっとご説明。。
デナリ国立公園とは、北米大陸最高峰のマッキンリー山(標高6,194m)を擁するアラスカでもっとも有名で、もっとも多くの観光客が訪れる場所です。
デナリ国立公園の最大の特徴は、「人間は大自然にとって訪問者にすぎない」という運営コンセプト。
そのため、一般車両の乗り入れや、トレッキングを許可される観光客数の制限などなど、多くの規制がありますが、このような徹底した自然保護政策により、今でも、ありのままの自然が残る国立公園なのです。
今回、アラスカ旅行を計画するにあたり、1番興味があったデナリ国立公園でのキャンプ。
これは、公園内の簡単なマップですが、公園内には6箇所のキャンプ場があります。(▲みたいなマークのとこ)
右側から、私たちが初日に泊まった公園入り口にあるライリークリークキャンプ場。そして、サベージ・リバー、サンクチュアリー・リバー、テクラニカ・リバー、イグルー・クリーク、ワンダー・レイクキャンプ場。
前記事にも書きましたが、この中で一般車両の乗り入れが可能なのは、ライリークリーク、サベージリバーのみ。
それ以外のキャンプ場には、公園のキャンパーバスに乗って、キャンプ場に向かうことになります。
中でも、ワンダーレイクキャンプ場はマッキンリー山の眺望が絶品のため大人気、しかも28サイトしかないから、すぐに埋まってしまうという情報がありました。
指定キャンプ場以外で公園内に宿泊するには、公園最奥地にある高級ロッジに泊まるか、パーミットを取得して公園内で野営するバックカントリーのいずれか。
全てのキャンプ場は、予約手数料がかかりますが、WEB上でサイトの確保、キャンパーバスの手配ができるので、日程を決めてワンダーレイクキャンプ場の予約を取ろうと思っていたのですが・・
色々調べてるとバックカントリーも魅力的。。
では、ちょっとバックカントリーの説明を。
東京都の面積の約11倍に相当するデナリ国立公園は87に区分けされており、その内の41ユニットでは、人数を制限してバックカントリーパーミットを発行しております。
例えば、ユニット1のパーミットを取得すると、禁止事項に反しなければ、ユニット1のエリア内のどこででもテント泊ができる権利が得られる訳です。
ちなみに、デイハイクであれば、パーミットは必要ありません。
上地図の緑太枠内が公園になりますが、パーミットが取得可能なのは、色がついてる41箇所のユニットだけ。
色が付いていない下の方の氷河部分はマッキンリー山周辺ですね。ちなみにユニット45はマッキンリー山頂です。
ユニットによって制限人数が異なり、少ない場所では2名だったり、多い場所では12名まで入ることができるようです。
ただ、公園の敷地は四国よりも大きいらしいので、それぞれ、大きさの差はありますが、ひとつのユニットが広大な敷地だと言うことがわかってもらえたでしょうか。。
もう少しアップの地図です。
バックカントリーに入るには、公園のレンジャーから直接、説明を受けて、自分で入りたいユニットを選び、日数を決めてパーミットを取得します。
この取得に関しては、必ず本人(グループであれば全員)が、前日までにレクチャーを受ける必要があります。よって、電話やWEB上でのユニット確保や予約は一切できません。
※ちなみに、ひとつのユニットには最大7泊。バックカントリーに滞在できる最大日数は30泊(夏期の場合)。
日本で調べてわかったことは・・
●トレイルはほとんどなく、踏み跡すら残さないようにする必要がある
●食糧や、使用したコッヘル類、石けんや歯磨き粉なども、熊がにおいを嗅ぎ付けそうなものはすべて、右の写真のような、ベア・レジスタント・フード・コンテナ (BRFC) の中に収納しなければならない。
●テント・サイトは、パーク・ロードから少なくとも0.5マイル離れていなければならなくて、かつ、他の人から見られる場所であってはならない。誰かがキャンプしたような場所でキャンプするのは避け、キャンプ後が残らないようにする。
※パークロードと言うのは、上の地図の黄色でなぞってる線で、公園内で唯一車が走る道路。この道をシャトルバスや、ツアーバスなどが走ります。
などなど・・
要するに、野生動物に対しても、植物に対しても、とにかく全ての自然の中に人間の痕跡が残らないようにするということ。
今まで、日本の山でテント泊はしたことあるけど、ここまで徹底した状況は経験したことがない。。
トレイルがないということはルートファインディング能力も必要だし、動物の存在も怖い。。
でも、せっかくデナリ国立公園まで行くのだから、この公園を一番満喫することができるバックカントリーにも是非入ってみたい。。
色々と情報を調べ、ワンダーレイクキャンプ場を予約するか、経験も無いのに、バックカントリーに入るか否か・・と、2人で悩むものの、決まらないままに日はどんどん過ぎて行き、キャンプ場の予約サイトでは、どんどん空きサイトの残数が減っていくワンダーレイク。。
そこで、2人で出した結論は、決められへんし、状況もわからないので、予約はしない。
とりあえず、バックカントリーに入る予定にしておいて、どうしても無理だったら、行った時に空いてるキャンプサイトに泊まればいいやん。
と、何ともゆるい結果。(笑)
悩みましたが、アラスカ以降も再利用の機会があることを願って、GPS用のマップUS TOPOも購入して、逃げ道を無くし、世界一景色の良いキャンプ場と名高いワンダーレイクキャンプ場を諦めて、全く未知のバックカントリーに挑むことになった私達なのであります。
9月5日(土)のお昼にデナリ国立公園に到着。情報によると、バックカントリーに入るつもりなら、先にパーミットを取得しないと、バスの予約もできないそうなので、到着後すぐに、Backcountry Information Center (BIC)に向かいます。
到着すると、外のテラスのベンチに何人か座っていて、建物の外に貼られた大きな地図の前にレンジャーが立っています。どうやら、説明が始まるようで、「バックカントリーが希望なら座れ」というような事を言われたので、私達もベンチに座って、レンジャーの説明を聞きました。(上の写真はHPからの引用ですが、まさにこんな感じ!しかも、同じレンジャーさん。)
もちろん、英語なので、ほとんど理解できませんでしたが、道中に使用するBRFCの使い方の実演や、動物の種類による距離の取り方などの説明がありました。
その後、説明が終わってから建物内のユニット空き状況を見ると、明日から入れるユニットのほとんどが埋まってる!
マッキンリーが見えて、歩きやすそうなサイトも全滅。。
行かれた方のHPで、チェックしていたユニットも全て埋まってる。。
やはり、週末だからか??
うーん、いきなり予定外。^^;
完全に情報がない状態でのスタートとなってしまいました。
わずかに残されたユニットの中から、建物内にも貼ってある大きな地図と空きのあるユニットを見比べながら選定した結果、ユニット4のパーミットを2泊取ることに決めました。
残ってるユニットの中では等高線が緩くて歩きやすそうだし、サベージリバーという大きな川が流れてる場所なので、ルートファインディングもしやすいのでは?という理由。
その後、選んだユニットを受付で伝えて申込をし、説明のビデオ(日本語字幕付き)を見ます。
バックカントリーで過ごすための心得や、熊に出会った時の対応など、とても興味深く、為になる内容でしたので、また改めて記事に書きますね。
ビデオの後は、申込用紙の記入をするのですが、日本の登山届けとは違って、記載内容がめっちゃ細かい。。
登山、バックカントリー経験の有無や、あればその内容、何かあった時の緊急連絡先、グループ全員の性別、身長、体重や、特徴(髪の色など)、おまけに、テントの種類、ザック、レインウェア、Tシャツ、ダウンJKT、帽子など、持って行く全ての服のカラーや、ブランドを記入する部分もありました。
最終的に、用紙も提出して、やっとパーミットを取得。同時に、BRFCも貸し出されました。
右の写真ですが、2人だったら3日分の食料が入るらしい。重さ約1.2kg、容量約10kgです。
パーミット取得とBRFCのレンタル料金は無料でした。
ちなみに、このBRFCは、バックカントリー終了後48時間以内に返せなかったり、なくしたり壊してしまった場合には、罰金があるようです。
しかし、返却がなかったからと言って、捜索することもなく、家族からの要請があって、始めて捜索隊が出るようです。なので、バックカントリーに入られる方は、何日までに連絡がなければ捜索願いを出すよう、家族などに伝えておくように・・とのことでした。
その後は、BICで購入したユニット4の地図に、壁に貼ってある大きな地図とにらめっこしながら、ユニットの境界線をペンで書き写します。購入した地図にはユニットの区分がないので、自分で記入する必要があります。
ユニット4の制限人数は6名。
境界線の記載が終わると、明日から、ほとんど独り占め状態となる大きな空間が地図に浮かび上がりました。
続いてWilderness Access Centerにて、翌日ユニット4まで向かうキャンパーバス($35)の手配。翌朝11時出発のバスを予約して、バックカントリーに関する手続きは全て終了。
後は、パッキング&心の準備。
さて、大丈夫か?^^;
不安7割、楽しみ3割。(笑)
次回は、翌日からのバックカントリー記事です。
Unknown
海外は公園もスケールがでかいね
コメントありがとうございます。
いらっしゃいませ。
本当に大きかったです。
Unknown
なるほどー。
事前予約ってのは嫌だな。
ワンダーレイクにしなかった心情もなんとなくわかります。
私も出来れば見て決めたい方。”外したくない感”が強いので
雄大な区画サイト(笑)にしたと思います。
ん~でもなんかけっこう面倒っちいのですね。
限られた日数だとなんかもったいない感じ。
好天だったりすると講習も落ち着かなそう^^;
世界的な有名地だからこれくらい徹底しないと、自然は残せないのでしょうか?
ところでBRFCってこのまま持ち歩くの?
なんか保ち難そうなんだけど
Unknown
こんばんは(*^。^*)
徹底した管理にビックリしながら読ませていただきました(^^♪
申し込み用紙は、アウトドアメーカーとって凄いDBになりそうですね~(*^。^*)
ひょっとしたら老後に行けるかもしれないので参考にさせて頂きます(笑)
熊に出会った時の対処話 とっても楽しみです♪
コメントありがとうございます!
☆バロンパパさん☆
こんにちは~!
ふふ、ウマイこと言いますね~!
雄大な区画サイト。(笑)
事前予約しちゃうと、自由に身動き取れなくなるのも、嫌だったんです。。
予約しちゃうと、朝からどしゃ降りでも、泊まらなきゃいけないし、
そこしか選択権がないっていうのも、もったいない気がして・・。
泊まってみたかったんだけど、仕方ないですね。
で、面倒でしょ。
全体的に面倒なことが多かったデナリ国立公園。
>>好天だったりすると講習も落ち着かなそう^^;
まさに、そのパターンでしたよ~!
あ~、今日からバックカントリー行かせてよ~!><
って、思いました。
天候ばっかりは、本当に運ですよね。。
滅多に行ける場所じゃないから、余計に左右される部分もありました。
ユニットの空きはツライですよね。。
もっと、長く滞在できるなら、良かったんだけど・・。
>>ところでBRFCってこのまま持ち歩くの?
これは、ザックの中に入れました。
次の記事にも書いてるんですけど、めっちゃ、パッキングしずらいみたい。^^;
☆piyosuke-papaさん☆
こんにちは!
徹底されてるでしょ~。
この徹底さに、ビビリました。^^;
こんだけ、ちゃんとしないと、動物に襲われる~!><
って、講習終わって、大丈夫かなぁって不安が募りましたよ。
申込用紙、めっちゃ細かいんですよ~。
必死で思い出しながら書きました。
老後とは言わず、是非機会があれば行ってほしいな。
景色は抜群ですよ。^^
>>熊に出会った時の対処話 とっても楽しみです♪
お楽しみに~。^^
とっても参考になりました
はじめまして。記事を読ませていただきましたが、いや、もう本当に参考になりました。
私もデナリに行こうかと計画中なんですが、すでに紅葉時期のワンダーレイクキャンプ場は予約がいっぱいで・・・。
こちらの記事を読んだところでは、バックカントリーでも希望するユニットのパーミットがとれない可能性も高そうですし、ほかにもいろいろ大変そうですし・・・。とりあえず今年は断念し、来年またワンダーレイクの予約を取るところから計画し直そうかと思っています。バックカントリーをするかどうかはわかりませんが(ヘタレなので)
というわけで、どうもありがとうございました。
アラスカはともかく涸沢には私も今年行くかもしれません。
コメントありがとうございます!
初めまして、コメントありがとうございます。
参考になったとおっしゃっていただき、非常に嬉しいです。
そして、計画中とは、本当にうらやましい!><
にしても、紅葉時期のワンダーレイクの予約がいっぱいとは驚きました!
時期早々にいっぱいになってしまうのですね。。
バックカントリー、うちも超ヘタレなので途中で帰ってきてしまいましたが、週末を外したり、早めの時間に到着すれば、もう少し希望のユニットに入れると思うので、良ければ検討してみてください。
涸沢いいですね。
初めて行ったときは、日本でこんな景色が見れるんや!と驚きました。
是非、行ってみてください。^^
それにしても、世界中旅してらっしゃるのですねー。
アジア方面など、行ったことがないので、興味深いです。
また、じっくりブログも拝見させていただきますね。^^